睡眠と概日リズムについて

私たちの体は、「概日(がいじつ)リズム」と呼ばれる約24時間周期の体内時計を持っています。このリズムは、睡眠や覚醒、ホルモン分泌、体温調節などに深く関わっています。しかし、現代の生活ではこのリズムが乱れやすく、それが睡眠の質や健康に影響を与えることもあります。今回は、睡眠と概日リズムの関係、そして食事とのつながりについて解説します。

睡眠と概日リズムの関係とは?

私たちが夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるのは、概日リズムが調整しているからです。これは、脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」と呼ばれる部分が光を感知し、体内時計を調整しているためです。

朝に太陽の光を浴びると、脳は「朝が来た」と判断し、活動を促すホルモン(コルチゾール)を分泌します。そして、夜になると睡眠を促すホルモン(メラトニン)が増え、自然と眠くなります。しかし、夜遅くまでスマホやパソコンの画面を見ると、強い光の影響でメラトニンの分泌が抑えられ、寝つきが悪くなることがあります。

人間の概日リズム

概日リズムは個人差があり、「朝型」と「夜型」に分かれることが知られています。

• 朝型の人:早寝早起きが得意で、朝に活動しやすい

• 夜型の人:夜遅くまで起きているのが得意で、朝が苦手

多くの人は、10代の頃は夜型に傾き、年齢とともに朝型へと変化します。社会の生活リズムと自分の体内時計が合わないと、日中に眠気を感じたり、夜に眠れなくなったりすることがあります。

概日リズムと食事

食事のタイミングも概日リズムに影響を与えます。特に朝食は、体内時計をリセットする重要な役割を持っています。

朝食をとるメリット

• 体温が上がり、脳が活性化する

• 消化器官が目覚め、代謝が上がる

• 体内時計が整い、夜の睡眠がスムーズになる

また、夜遅い時間の食事は消化活動を活発にし、睡眠の質を低下させることがあります。特に、脂っこいものや刺激の強い食べ物は、胃腸に負担をかけるため注意が必要です。

まとめ

睡眠と概日リズムは深く関係しており、光の影響や生活習慣によってリズムが乱れることがあります。特に、朝の光を浴びることや規則正しい食事をとることは、健康的な睡眠を確保するために重要です。生活リズムが崩れがちな方は、まずは「朝起きたら日光を浴びる」「決まった時間に食事をとる」ことを意識してみましょう。それだけでも、睡眠の質が向上し、日中の活動が快適になるはずです。