貧血ってどんな状態?
「貧血」と聞くと、立ちくらみやめまいをイメージする人が多いかもしれません。貧血とは、血液中の「ヘモグロビン」という成分が不足し、全身に酸素がうまく運べなくなっている状態を指します。ヘモグロビンは、赤血球の中にあり、鉄を材料にして作られます。そのため、鉄が不足すると、ヘモグロビンも減ってしまい、結果として酸欠のような状態になってしまうのです。
体がだるい、疲れやすい、顔色が悪い、動悸がする…そんな不調がある人は、気づかないうちに「隠れ貧血」になっている可能性もあります。
なぜ貧血だと甘い物が欲しくなるの?
実は、貧血になると「甘い物が無性に食べたくなる」ことがあります。これは気のせいではなく、体のメカニズムによる自然な反応です。
私たちの体は、食べ物をエネルギーに変えるときに酸素を使います。ところが、貧血で酸素が足りないと、酸素を使ってエネルギーを作る「ミトコンドリア系」の代わりに、酸素を使わずにエネルギーを作る「解糖系」というルートを頼るようになります。
この解糖系は、ブドウ糖(糖分)をエネルギー源として使うため、体が糖を欲しがるのです。つまり、貧血が原因で「甘い物が食べたい!」という欲求が強くなることがあるのです。
甘い物の誘惑、根本原因は?
甘い物を食べすぎてしまうと、「意志が弱いから」「我慢が足りない」と自分を責めてしまいがちですが、実は体が「助けて」とサインを出していることもあります。特に女性は月経やダイエット、偏った食生活によって鉄が不足しがちなので、知らず知らずのうちに貧血になっている場合も。
「甘い物がやめられない」と感じたら、まずは食事の中で鉄分をしっかり取れているかを見直してみましょう。赤身の肉、レバー、あさり、ほうれん草などは鉄を多く含みます。
まとめ
甘い物ばかり食べてしまうと悩んでいる人は、もしかしたら「貧血」が隠れているかもしれません。体に酸素が足りていないために、すぐにエネルギーを得られる糖分を求めている可能性があります。
自分の食欲や体の反応を責めるのではなく、その背景にある体のサインに気づくことが大切です。甘い物への欲求の裏にある「鉄不足」、今こそ見直してみませんか?