低血糖ってどんな状態?

「低血糖」とは、血液中のブドウ糖(血糖)が正常よりも下がってしまう状態です。脳はブドウ糖をエネルギー源としているため、血糖が下がりすぎると体や心にさまざまな不調が現れます。
主な症状としては、強い眠気、集中力の低下、イライラ、動悸、手のふるえ、冷や汗、空腹感、めまいなどがあります。これらはすべて「エネルギー不足だよ」という体のサイン。とくに食後にこれらの症状が出る場合は、「機能性低血糖」の可能性があります。
食後なのに低血糖になる?
食後に血糖値が下がる――ちょっと意外に思えるかもしれません。普通は食事をすると血糖値は上がります。でも、この血糖値の急上昇に反応して、体はインスリンというホルモンをたくさん分泌します。インスリンは血糖値を下げる働きがあるため、必要以上に分泌されると、今度は血糖が急降下してしまうのです。
この血糖値の「乱高下」によって、食後すぐに眠くなったり、ボーッとしたり、疲労感を強く感じたりする状態が「機能性低血糖」と呼ばれます。特に、朝食を抜いた後に急いで甘い物を食べた場合や、白米やパンなどの精製された炭水化物を多くとった後に起こりやすくなります。
眠気の裏にある体のサイン
食後の眠気を「食べすぎたから」「満腹だから仕方ない」と見過ごしていると、知らないうちに日常のパフォーマンスが下がっているかもしれません。実はそれ、体が「急な血糖の上下で疲れている」というSOSなのです。
機能性低血糖を防ぐためには、急に血糖値を上げる食べ方を避けることが大切です。例えば、白米だけではなく野菜やタンパク質と一緒に食べる、甘い物を空腹時に食べない、間食を減らすなどの工夫で、血糖値の乱高下を抑えることができます。
まとめ
食後の強い眠気やだるさは、単なる疲れではなく「機能性低血糖」のサインかもしれません。血糖値が乱高下すると、脳に必要なエネルギーが不足し、眠気や集中力の低下といった症状が起こります。
その原因の多くは、食べ方や内容にあります。日々の「なんとなくの不調」を見過ごさず、血糖の波を穏やかに保つ食習慣を意識してみましょう。食後の眠気が減るだけで、心も体もぐっと軽くなるかもしれません。