呼吸が浅いと首がこる?意外な関係

「最近なんだか首がこる」「マッサージしてもすぐに戻る」そんな悩みの裏に、“呼吸の仕方”が関係していることをご存じでしょうか?

呼吸は無意識に行われる大切な働きです。息を吸うとき、主に使われるのは「横隔膜(おうかくまく)」というお腹の奥にある筋肉です。これは「呼吸筋」と呼ばれるもので、リラックスした深い呼吸ではこの横隔膜がしっかり働いてくれます。

ところが、ストレスが多い現代人は、呼吸が浅く速くなりがちです。このとき活躍するのが「呼吸補助筋(ほきょきん)」と呼ばれる筋肉たち。中でも首の前側にある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」は、呼吸を助けるために強く働きます。

この胸鎖乳突筋は、首を前に倒したり、横に向けたりする働きもある筋肉です。呼吸が浅い状態が続くと、この筋肉は常に緊張しっぱなし。すると、首まわりがカチカチにこりやすくなってしまうのです。

さらに、ストレスなどで交感神経が優位になると、体は「戦うか逃げるか」のモードに入り、自然と呼吸が速くなります。その結果、呼吸補助筋が頻繁に使われ、身体全体の緊張も抜けにくくなるという悪循環に。

まとめ:

首こりの原因は、姿勢や運動不足だけでなく、「浅い呼吸」によって首の筋肉が酷使されている可能性があります。深くゆったりとした呼吸を心がけることで、横隔膜をしっかり使い、呼吸補助筋の負担を減らすことができます。リラックスした呼吸は、首こりだけでなく心と体の緊張を和らげる第一歩です。