「足裏センサーの衰え」が転倒を招く?

転びやすくなった、ふらつきやすい——そんな悩みは「筋力低下」だけが原因ではありません。実は、足の裏にある“機械受容器”という小さなセンサーの働きが、転倒予防に大きく関わっているのです。

足裏の“センサー”がバランスを守る

機械受容器とは、皮膚や筋肉、関節に存在する「圧力」「伸び」「振動」などの物理的な刺激を感知するセンサーのことです。足裏にはこの機械受容器が多く存在しており、地面の凹凸や重心のズレなどを素早く察知し、脳に情報を送ります。

この情報をもとに、身体は姿勢を調整してバランスを保とうとします。つまり、足裏の機械受容器は「バランスの司令塔」のような存在であり、転倒を防ぐ重要な役割を担っているのです。

年齢とともに“センサー”が鈍くなる

しかし、加齢とともにこの機械受容器の感度は低下していきます。皮膚が厚くなり、神経の伝達速度も遅くなることで、足裏の感覚が鈍り、「今、自分の身体がどう傾いているのか」「どんな地面を歩いているのか」といった情報が脳に届きにくくなります。

結果として、バランスを崩してもとっさに反応できず、転倒につながりやすくなってしまいます。

まとめ

転倒を防ぐには筋力や柔軟性だけでなく、足裏の「感じる力=機械受容器」の働きも重要です。普段から素足で床の感触を確かめたり、バランス運動や足指の運動を取り入れたりして、足裏のセンサーを目覚めさせてあげましょう。転倒予防は、足元の“気づき”から始まります。