私たちが立つ・歩く・走るとき、足の裏は常に体を支えています。その足裏のアーチが崩れて平らになった状態を「扁平足」と呼びます。扁平足になると、体の重心のかかり方や足圧の分布に変化が起こり、疲れやすさや姿勢の乱れにつながることがあります。ここでは、足裏を支える「外側側方線」と「内側側方線」という考え方から、扁平足と足圧の関係を見ていきましょう。
外側側方線とは?
外側側方線は、足の外側を走るバランスのラインです。小指側からかかとへとつながり、地面に安定して立つための“土台”の役割を果たしています。歩行時には、最初にかかとが地面に着地し、そこから外側を通って重心が移動する流れを支える重要なラインです。
内側側方線とは?
一方で内側側方線は、足の内側、つまり親指側を通るラインです。土踏まず(内側アーチ)を支えながら、体を前に進めるときの推進力を生み出す働きを持っています。特に最後の蹴り出しの際に大きな役割を果たし、歩行や走行をスムーズにしてくれます。
扁平足になるとどうなる?
扁平足になると、この内側側方線のアーチがつぶれてしまいます。その結果、足圧が外側や内側に偏りやすくなり、足裏全体がベタッと地面についてしまいます。本来の「外で支え、内で蹴る」という役割分担が崩れるため、足首や膝、さらには腰にまで負担が広がることがあります。
まとめ
扁平足は単なる足裏の問題ではなく、外側側方線と内側側方線というバランスの仕組みを乱してしまうものです。足圧の分布が崩れると、体の安定性や効率的な動きにも影響を与えます。扁平足を予防・改善するためには、足裏の筋肉を鍛える運動や、正しい靴選びが大切です。足のアーチを意識することが、全身の健康につながる第一歩と言えるでしょう。