扁平足と反り腰をつなぐ「骨の連鎖」の秘密

私たちの体は、一つの関節だけで動いているわけではありません。足首、膝、骨盤、背骨――これらはすべて「骨の連鎖(ボーンチェーン)」としてつながり、全体でバランスを取っています。そのため、一見関係なさそうな「扁平足」と「反り腰」も、実は深い関係があります。

扁平足とは?

扁平足は、足の土踏まず(内側アーチ)が低下している状態です。アーチが崩れると、衝撃を吸収する機能が弱まり、歩行時のバランスが不安定になります。結果として、膝や腰への負担が増えることも。特に長時間立っていると足裏が疲れやすい、スネが張る、靴底の内側がすり減る――これらは扁平足のサインかもしれません。

反り腰が扁平足を引き起こす?骨連鎖の影響

扁平足は足だけの問題と思われがちですが、実は「反り腰」ともつながっています。反り腰とは、骨盤が前に傾き、腰のカーブが強くなった状態。骨盤が前傾すると、体の重心が前に移動し、太ももの前側に力が入りやすくなります。その結果、足首は内側に倒れ(回内)、土踏まずが潰れる方向へと力が働くのです。

この一連の流れこそ「骨連鎖」です。骨盤から腰、膝、足首へと続くこの連鎖が崩れると、姿勢や歩き方にも影響し、慢性的な腰痛や膝の違和感にもつながります。

まとめ

扁平足も反り腰も、体の一部の問題ではなく、全身の「つながり」の結果として現れるものです。足だけを整える、腰だけを伸ばす――といった対症療法ではなく、骨盤・背骨・足首の動きを総合的に見直すことが、根本的な改善につながります。

「足が崩れれば、姿勢も崩れる」。骨連鎖を意識したケアこそ、痛みや不調を防ぐ鍵です。