「食物繊維はお通じにいい」とよく聞きますが、それだけではありません。実は、食物繊維は“ダイエットの味方”でもあるのです。ここでは、その理由を少し科学的に見ていきましょう。
食物繊維の種類と働き
食物繊維には大きく分けて2種類あります。
- 水溶性食物繊維
水に溶けてゼリー状になり、糖や脂肪の吸収をゆるやかにしてくれます。海藻やオートミール、果物に多く含まれています。 - 不溶性食物繊維
水に溶けず、腸の中で水分を吸って膨らみ、便のかさを増やして腸の動きを活発にします。野菜やきのこ、豆類に多いのが特徴です。
この2つをバランスよく摂ることで、腸の環境が整い、栄養の吸収バランスも改善されます。
食物繊維とGLP-1の関係
近年注目されているのが「GLP-1」というホルモンです。これは小腸の奥(回腸)で分泌され、血糖値を安定させ、満腹感を持続させる働きを持っています。実は、このGLP-1の分泌を刺激するのが、食物繊維なのです。
特に水溶性食物繊維は、腸内で発酵されて短鎖脂肪酸を作り出します。この短鎖脂肪酸が回腸の細胞を刺激し、GLP-1を分泌させます。すると、脳に「もう十分食べた」という信号が送られ、自然と食欲が抑えられるという仕組みです。
またGLP-1は、血糖値の急上昇を防ぐことで脂肪の蓄積を抑える効果もあります。まさに「腸から出る天然のダイエットホルモン」と言える存在です。
まとめ
食物繊維は、腸を整えるだけでなく、GLP-1を通して「食欲のコントロール」「脂肪の蓄積抑制」にも関わる重要な栄養素です。ダイエット中こそ、糖質や脂質を控えるだけでなく、野菜・海藻・豆類・果物を積極的に摂ることが、痩せやすい体をつくるポイントです。
「腸を整えることは、心と体を整えること」。食物繊維は、ダイエットの最も自然で確実なサポート役なのです。
