1. 胸郭出口症候群とは?
「腕がしびれる」「肩や首がだるい」「細かい作業をすると手が疲れる」——こうした症状に心当たりはありませんか? もしかすると、それは胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)かもしれません。
胸郭出口とは、首から肩にかけての部分にある「神経や血管の通り道」です。この通り道が狭くなると、神経や血管が圧迫され、腕のしびれやだるさ、痛みが生じます。特にデスクワークやスマホの長時間使用、なで肩の人に多く見られる症状です。
2. 胸郭出口症候群と斜角筋の関係
では、なぜこの通り道が狭くなってしまうのでしょうか? そのカギを握るのが斜角筋(しゃかくきん)です。
斜角筋は首の側面にある筋肉で、首を支えたり、呼吸の際に肋骨を引き上げたりする役割を持っています。しかし、この筋肉が固くなると、ちょうど胸郭出口の部分で神経や血管を圧迫し、しびれや痛みを引き起こしてしまうのです。
特に「猫背」「巻き肩」「長時間の前かがみ姿勢」などが原因で斜角筋が緊張しやすくなります。デスクワークやスマホ操作の多い現代人は、要注意ですね。
3. 斜角筋と肋骨の柔軟性
胸郭出口症候群の改善には、斜角筋を柔らかくすることが重要です。しかし、それだけでは不十分です。斜角筋は肋骨にもつながっているため、肋骨の動きが悪いと斜角筋が常に引っ張られ、再び硬くなってしまいます。
そのため、斜角筋だけでなく、肋骨まわりの柔軟性も意識することが大切です。具体的には、深い呼吸や胸を開くストレッチが効果的。しっかり息を吸って肋骨を広げることで、斜角筋の緊張をやわらげ、胸郭出口の圧迫を軽減できます。
4. まとめ
胸郭出口症候群は、首や肩の筋肉の緊張によって神経や血管が圧迫され、腕のしびれなどを引き起こす症状です。特に斜角筋が硬くなることが原因の一つであり、これをほぐすことが改善への第一歩です。
しかし、斜角筋だけでなく、肋骨の柔軟性を高めることも重要。日頃から深呼吸や胸を開くストレッチを取り入れ、健康な首・肩を維持しましょう。
もし腕のしびれや肩こりが続くなら、胸郭出口症候群を疑い、専門家に相談するのも一つの方法です。早めのケアで快適な生活を手に入れましょう!