胸郭出口症候群のヒミツ
「つり革を掴むときに、手がピリピリとしびれる…」
「肩や腕が重だるくて、マッサージをしても一向に良くならない…」
病院で「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」と言われたり、ネットでその症状に心当たりがあったりしませんか?
実はこのトラブル、姿勢の悪さだけでなく、あなたの「呼吸のクセ」と「肺のまわりの空気圧(胸腔内圧)」が深く関係しているのです。
今回は、一見結びつかなそうな「手のしびれ」と「肺の空気圧」の意外な関係を、分かりやすく解説します!
- そもそも「胸郭出口症候群」ってどんな状態?
私たちの首から肩、そして腕へとつながるルートには、大切な「神経の束」や「太い血管」が通っています。
この神経や血管の通り道のことを「胸郭出口(きょうかくでぐち)」と呼びます。ちょうど首の付け根や、鎖骨(さこつ)のまわりのすき間のことです。
スマホのしすぎや猫背、ストレスなどでこのすき間がギュッと狭くなると、通りかかる神経や血管がギューッと押しつぶされてしまいます。その結果、「手がしびれる」「腕に力が入らない」「肩が激しく凝る」といった症状が出ます。これが胸郭出口症候群の正体です。
- カギは肺のまわりの空気圧!「胸腔内圧」の仕組み
では、なぜここが狭くなってしまうのでしょうか?その原因を紐解くのが「胸腔内圧(きょうくうないあつ)」という、胸の中の空気圧の仕組みです。
私たちの胸の中(肋骨に囲まれた空間)は、密閉されたお部屋のようになっています。
肺はそのお部屋の中で膨らんだり縮んだりするのですが、実は肺自身には筋肉がないため、自力で膨らむことができません。
お部屋(胸の中)の空気圧が外の世界よりも低くなる(陰圧になる)ことで、肺は引っ張られるようにして外側へ膨らみます。物理の法則で、「肺はまわりの圧力が少ない(スカスカで広がりやすい)方へと拡張する」という性質があるのです。
- 鎖骨のまわりがパツパツに!肺の「拡張不全」としびれの罠
もし、ストレスや姿勢の崩れで、鎖骨のまわりの圧力が高く(パツパツに)なってしまったらどうなるでしょうか?
【ストレスや猫背で、鎖骨まわりの圧力がグッと高くなる】
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【肺が「上(鎖骨の方)」へ膨らみにくくなる(拡張不全)】
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【肺がなんとか空気を取り込もうとして、鎖骨や首の骨を無理やり上に押し上げる】
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【首や鎖骨のすき間(胸郭出口)がギューッと押しつぶされて狭くなる!】
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【神経が圧迫されて、手にしびれや痛みが痛みが発生!】
本来なら、お腹や胸全体がリラックスして「圧力が低い状態」であれば、肺はどこにもぶつからずにフワッと膨らみます。
しかし、鎖骨まわりの圧力が高くて上が詰まっていると、肺は無理やりそこを突き破るようにして膨らもうとするため、結果として神経の通り道を下からガツンと突き上げて押しつぶしてしまうのです。
- まとめ 胸郭出口症候群は、鎖骨まわりで神経や血管が押しつぶされることで起きる
肺は「まわりの圧力が低くて、広がりやすい方向」へと膨らむ性質があります。
鎖骨まわりの圧力が高くなると、肺がうまく膨らめず(拡張不全)、無理にまわりの骨を押し上げて神経を潰してしまう
「手のしびれや肩の痛みが取れない」というときは、無理に首をストレッチするのではなく、「胸とアゴの力を抜いて、お腹に空気を送り込むような深い呼吸」を意識してみましょう。
胸の空間全体の空気圧がリセットされて、肺が本来のスペースで楽に膨らめるようになれば、鎖骨まわりの大渋滞は自然と解消され、しびれや痛みもすーっと楽になっていきますよ!
